日本知能情報ファジィ学会のご案内

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 日本知能情報ファジィ学会は、「あいまいさを含む全方位から知能の解明、実現、応用に対して科学的に挑戦する学会」です。また、自然科学・技術にとどまらず、人文・社会科学の分野も包含し、領域横断的で、知能に関わる様々な研究・技術・環境の変化を先取りする努力を続けています。

 

概要

第17期会長に就任して

前田陽一郎

 このたび2021年6月19日に開催された日本知能情報ファジィ学会総会で、第17期会長を拝命することになりました立命館大学の前田陽一郎です。今後2年間にわたり本学会と会員の皆様のために微力ながら尽力したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、昨年からの新型コロナウィルス流行の影響により、世界が一変いたしました。コロナ禍になってもうすでに1年以上経ちますが、まだ完全な終息を迎えておらず、ようやくワクチン接種が始まったという状況です。人の集まりでは3蜜を避け、マスク着用が当たり前になり、リモートワークが一気に加速し、零細企業の倒産が相次ぎました。このような事態になることを誰が予想したでしょうか?新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす影響は、個人個人の感染リスクの問題から、医療問題、そして経済問題、さらには国際問題まで多岐にわたり非常に複雑かつ深刻です。このような逆境の世の中においては、大学や企業と同様に、学会もその真価が問われていると思います。

 ここであらためて本学会の現状を顧みますと、会員数はここ10年以上減少傾向が続いており、このため財務状況がかなり悪化しているため、最近の理事会では赤字削減が最大の課題となっております。第15期林会長は就任の際に、あと20年で学会の資産は底をつくと予想され、第16期山田会長は20年どころか、あと10年もすれば学会は赤字に転じると警鐘を鳴らされたのを記憶しております。このように学会の赤字拡大は加速しており、理事会内部でもここ数年は危機感が広がっております。さらには、Zadeh先生のご逝去とともに、日本でもファジィ研究の黎明期を牽引されていた著名な研究者の方々が次々と引退され、世代交代によるリーダー不在の時代を迎えております。また、ここ1年はコロナ禍の影響により、オンライン開催とせざるを得なくなった学会主催シンポジウムの大幅減益などもあり、私も理事を6期ほど担当した経験がありますが、理事会がこれまで直面したことのない極めて厳しい状況にあると言わざるを得ません。

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 本学会の赤字財政の改善については、これまで2期連続の理事会で改善努力を続けてきた経緯があります。特に16期理事会では、会費値上げ、会誌の電子化、支部交付金減額など、赤字財政に大きなメスを入れて大幅な削減努力がなされ、赤字幅もかなり減少した功績は大きいと考えます。しかしながら、決して赤字がなくなったわけではなく、もちろん今後も赤字削減努力は継続する必要があります。ただ現時点で考えられる主な赤字削減策はほぼ実施され、今後は劇的な効果が期待できる大規模な削減策はほとんど残されていないというのが私の印象です。

 そもそも赤字の主な原因である会員数減少傾向についても、これまでの理事会が会員増のための様々な施策(将来計画や他学会連携など)を何度もトライしてきましたが、減少スピードに歯止めがかからないのが現状です。そこで、今期の理事会では、あまり現実的でない会員増を目指すのではなく、会員減を少しでも抑える方策として、「魅力ある学会」作りを目指したいと考えています。特にここ数年は、学会費値上げや交付金減額など直接的な赤字削減策を中心とする、会員にとってネガティブな施策が続きました。そのため、できれば今期理事会では、これまでどおり赤字削減策は今後も継続して実施していく必要がありますが、これに加えて会員サービスの質の向上を図ることにより魅力的な学会を作るようなポジティブで前向きな施策についてもいくつか検討したいと考えております。これにより、少しでも学会の魅力度アップができれば、会員減少傾向を抑え、ひいては会費収入減少を食い止めることができ、赤字改善にもつながるのではないかと考えています。

 例えば、このような具体策の一例として、前期の理事会で成し得なかった学会ウェブサイトの自主管理化があります。現在の学会ウェブサイトは制作や編集、管理や運営をすべて外注の企業委託で行っており、管理費も一定額の経費が負担となっております。さらに、大幅な編集には別途費用が発生する上、わずかな編集にも依頼をする手間が理事の負荷となっております。そこで、今期理事会では、新たに「学会ウェブサイト改革」特任理事を新設し、広報担当理事と協力して学会ウェブサイトの刷新を図り、なんとか自主管理化を実現することを目指します。これにより会員サービスの質の向上と赤字削減を同時に実現できると考えております。もちろんこれ以外にも、学会サービスの質の向上策として、学会主催シンポジウムのさらなる活性化、SOFT Computing Repositoryや会員専用MLの利用促進、資料アーカイブズの会員への公開、などについても実現していきたいと思います。これらの重要な理事には主に若手の先生にご担当いただき、斬新なアイデアによる独自の会員サービスの向上策なども今期の理事会で打ち出すことができればと考えております。

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 ところで昨今の人工知能・機械学習ブームにも関わらず、ファジィ理論があまり盛り上がっていないと感じるのは私だけではないと思います。これはある特定の能力(画像処理や囲碁など)に関して、機械学習されたものがあっさりと人間の熟練者の能力を超えてしまったため、世の中の人が驚かされている状況に過ぎません。いままで機械は人間には勝てないと思われてきた中で、それが可能となったのは深層学習をはじめ深い知識を獲得できる手法が新たに開発された意義は大きいと思います。しかし学習されたものはあくまでもブラックボックスであり、その中身や意味、さらにはどのようなルール(知識)で構成されているか、などの情報は機械学習では獲得できません。

 一方で、私自身はこれまで本学会の人間共生システム研究部会(2007年発足)の代表幹事を13年間担当してまいりましたが、人間共生システム(Human Symbiotic Systems)としての今後の人間・機械系を考えるときに、人間の知能(Human Intelligence)と機械の人工知能(Artificial Intelligence)は絶妙なバランスが必要と考えています。曖昧さの許容や意味理解に関しては人間知能が優れ、知識の正確さや膨大なデータに基づく戦略構築は人工知能が優れており、人間知能と人工知能がお互いに補完(共生)し合うことが重要です。このような双方の知能を結びつける(翻訳する)のに最も適した技術は、まさしくファジィ理論ではないかと考えています。今後は、このような特長を生かしたファジィ理論の重要性が改めて再認識され、世の中でもう一度ブームが復活することを願ってやみません。

 最後になりますが、今年はオリンピックイヤーで日本にとっては極めて重要な年になりますが、これをきっかけに明るい未来が来ることを予感させるような一年になることを祈っております。本学会にとっても、ここ数年は財政的にも厳しい運営が続いてきましたが、これからは何か楽しいことが起こりそうな予感がする学会にしていければと思っております。会員の皆様におかれましては、是非、本理事会の趣旨にもご賛同いただき、我々とともに本学会の運営を盛り上げていただければ幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

以上

 

沿革

 2011 〜

 2001 〜 2010

 1991 〜 2000

 1981 〜 1990

 1965 〜 1980

 

組織

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