SNS対談 ソーシャルメディア研究所 熊坂仁美代表 Part 1「学会とSNS活用」

ホーム / SNS対談 ソーシャルメディア研究所 熊坂仁美代表 Part 1「学会とSNS活用」

日本知能情報ファジィ学会では、平成23年4月より独自開発したSNSを運用しています。そこで、世界最大のSNSであるFacebookの第一人者であるソーシャルメディア研究所の熊坂代表にお越しいただき、日本知能情報ファジィ学会の高木会長とSNS活用についてディスカッションしていただきました。

ソーシャルメディア研究所 熊坂仁美
熊坂 仁美
株式会社ソーシャルメディア 研究所代表取締役。
ソーシャルメディアコンサルタント。
福島市生まれ。慶應義塾大学文学部卒。
Facebookを始めとしたソーシャルメディアのビジネス活用の実践研究家。

 

司会 熊坂さんがFacebookを始めたきっかけから教えてください。

熊坂代表(以下敬称略) 私はソーシャルメディアの仕事をしているのですが、どうしてソーシャルメディアに注目しているかというと、もともと企業のお客様に、なぜその企業・商品を選んだのかをロングインタビューをして、これを記事にまとめて写真をいれて、その企業のWebのキラーコンテンツとして使っていただくという仕事をしており、そこに特化してきました。そのなかでお客様の声というのがいかに重要であるかを日々感じていました。

たまたまそのとき、2009年にTwitterのブームがあり、私も友人の勧めで始めてみたところ、これは何か今までのものとは違うと感じました。140文字でメッセージをやり取りして、なおかつ、リツイートという形で情報を拡散する機能をもっている。今までいろんなウェブのツールを使ってきたんですが、これには今までに無かった新しさを感じました。でも、実際に自分がやってみると、どう使って良いかわからないのです。慣れないのもありましたが、140文字というのは限界があります。

私は自分で会社をやっていますので、何か仕事にプラスがなければやる意味がないものですから、Twitterのビジネス活用ということに興味をもったんです。そこで、本場米国ではこのTwitterをどう使っているのだろうか、という素朴な疑問から米国のサイトをどんどんみていくようになりました。ひさしぶりにアメリカのサイトをみていくと、まったく今までのウェブとは違ったものがそこにはありました。TwitterやFacebook、そういったソーシャルメディアという概念がまだ日本にはありませんでした。

 

明治大学 高木友博 教授
高木 友博
日本知能情報ファジィ学会 会長
明治大学 理工学部 情報科学科 教授 工学博士
明治大学ソフトコンピューティング研究所 所長
IFSA Fellow. IEEE Computational Intelligence Society Fuzzy Systems Pioneer Award.
Takagi-Sugeno Model提唱者。近年は状況に依存して変化する言葉の意味表現に関する基礎研究とWebインテリジェンスの応用研究とを進めている。

 

高木会長(以下敬称略) では、TwitterをとっかかりにしてFacebookも視野に入っていったということなんですね。

熊坂 はい。いろんなソーシャルメディアを複合して企業がつかっている、もう常識化している、これは日本でもこうなっていくだろうということが容易に想像できたので研究してみようと思いました。まだ日本企業は誰もやっていない頃でしたので、資料も日本語化されていませんでした。でも、いろいろ自分でやってみるうちにこれは面白いと感じ、企業相手にセミナーをやりはじめていく中で本を書いてみようと思い、昨年の11月にFacebookをビジネスに使おう、という本を出版しました。当時はTwitterアカウントをもっている企業は結構あったんですけども、Facebookという名前を知っている企業は少なくて、無印良品やJTBが始めたぐらいのタイミングでした。

翌月12月に米国TIME誌のTIME OF THE YEARにFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグが選ばれ、翌年1月にソーシャルネットワークというFacebookの映画が公開されました。そこで日本のマスメディアが取り上げはじめたことで、日本でもFacebookのブームが起き、私は一番最初に本を書いたということで、いろいろなところからお声がかかるようになって、講演や企業へのコンサルティングをさせていただいてます。

司会 熊坂さんは、これからFacebookで活動しようとする方へ、どのようなアドバイスをされていますか。

熊坂 SNSに限らずインターネットはみんなそうかもしれませんが、自分の存在をアピールしないと世の中に存在しないことになってしまいます。現実の社会ではおとなしい人がいてもそこに存在しますけども、インターネットの世界は発言をしないと存在が無くなってしまうんです。

高木 どんどん忘れ去られてしまう、消えてしまう、ということですね。

熊坂 いままでは現実社会とインターネットはわかれていたんです。でも、今はインターネットが自分の世界を拡張、拡幅してくれる。そういう意味では、現実社会でのビジネスもやりやすくなっています。もちろんリスクもあります。変なことが拡散したらものすごいリスクがあります。つまりレバレッジが効くんですよね。まずは自分の存在を知ってもらって、とにかく知ってもらう人が増えれば増えるほど、ビジネスチャンスも増えてくるんです。ほんとにどんどん仕事のメッセージがきます。私だけではなくて、個人でコンサルタントをしている方とか、ほとんどFacebook経由で連絡がくるとおっしゃられます。

熊坂 ところで、ファジィ学会のSNSというのは独自開発のSNSですか。

高木 Facebookの上に構築するという手もあるとおもうのですが、必要なのはSNSという電子基盤をつくって、その上でグループとか学会独自のコンテンツ、たとえば学会誌と会員番号が連動していなければいけないとか、会員が書いた論文が自動的にSNSにあがらなければいけないとか、ノイズの無い、研究に集中できる場が必要とか、そういったニーズから独自SNSが望ましいということになりました。

もともと学会に入っている人は、学会の論文誌で勉強したいと考えている人と、論文誌に載せてもらう権利のために会費を払っている場合とがあります。なぜ論文誌に載せてもらわなければならないかというと、研究業績を人に知らせないと意味が無いからです。自分のやっていることを知らせるメディアとして学会というものにお金を払っているのです。いままではこのふたつの目的があったんですが、最近では学会にお金を払っていなくても、どこかから論文が入手できてしまうんです。例えばIEEEというところで論文に何ドルという値段が付いて売られているのですが、Googleで検索するとIEEEにお金を払わなくても、どこからか論文が入手できてしまう。貰う方はお金を払わなくても手に入れられる時代になっているが、論文を出す場合はどうしてもお金を払わないと載せてもらえない。学会の価値としてはすでに半分は無くなっているとおもいます。

そこで我々はビジネスモデルを変えなければならなかったのです。いままでは学会誌という雑誌を売ればよかった。あくまでリアル世界の話だけだったんです。そこにインターネットが入ってきて、むしろメインになってきた。そうなると集客方法とかお金の集め方とかがまったく変わっていくので、Webビジネスのセンスを我々自身がもっていかないといけない。いままでは学会誌が来ます、学会に参加できます、年8000円です、で済んでいたのですが、いまは、そんなのはWebで見れますから8000円は払いません、となってしまう。

熊坂 たしかにビジネスモデルは変えて行かないと、ほんとに今、変化の時代ですよね。例えば音楽業界もそうですよね。もう結構、海外ではSpotifyとか、無料のものが出てきてしまって。

高木 私なんかYoutubeのお陰でどんなに音楽を聞いているか(笑)でも、そういう世界になりますよね。そういう世界に対応していかないと、当然学会としてはビジネスモデルそのものが崩れる。学会はビジネスではないとはいえ、やっぱり継続していかないといけないので。そういう意味では私達は最先端を走っているかなと思っています。

熊坂 そうですよね、すばらしいですよね。このSNSはじめファジィ学会だけじゃなくて、ほかの学会すべてで利用できますね。

高木 それを私たちの学会の特性にしていくんです。それが学会の再生という目的だったんですけども、ただあまり最近は、再生という後ろ向きな話よりは、これをつかってもっとみんなの広がりを作っていくことが必要だなと思うようになりました。

高木 いままでも学会の役割として、ひとつは情報交換、もうひとつは、学会を通して自分の研究や論文が世の中にでていくことを期待されています。そこで今回のSNSでは、先生方全員のページがすべてGoogleに拾われています。プロフィールや論文だけではなく、コミュニケーションのディスカッションもです。先生方の研究内容を世の中に露出する、ということを目的としているので完全にオープンなんです。例えば高木友博のように名前で検索してもらうと、Googleで10位以内に表示されるようにSEO対策も考慮してあります。ここが一番大事な思想で、それをもとにこのSNSが設計されているのです。

熊坂 そうなんですか、ディスカッションもですか。すごいですね。このように目的にあわせて、SNSの機能を自由に変えて活用するというのもひとつの方法ですよね。

高木 しかしまだ今は、どのくらいつかわれているか、という段階なんです。私たちの学会の会員はコンピュータ屋さんなのに、へんなことを書いちゃったらどうしよう、とか、やってみてわかんなくなったらどうしようとか、まだそういう敷居の段階なんです。いままでの会員のほとんどが、なにこれ、なんでこんなもの使わなきゃいけないの?という、そういう状態からスタートしています。これから実際にこのSNSを普及させていって、おもしろそうと感じてもらって、さらに普及するというスパイラルを回して行かないといけないんです。逆にそこは熊坂さんのような方にいろいろと教えていただかないといけない状況です。実際、SNSの担当の先生は地方を回って講習会をやっているんです。

熊坂 それがぜひ必要だとおもいます。結局、まだこういうものに慣れていらっしゃらない方が大半なんです。そんな難しいことではないので、ちょっと教えるだけで活用できるようになったりしますので、どういう方法で教育していくかというのが課題なんじゃないでしょうか。

高木 いま考えているのは、その普及のための講習会というのがひとつと、もうひとつはビデオを上手く使って、こうやって使いましょう、みたいのをいっぱい用意していきたいと。

熊坂 eラーニングみたいに動画で簡単に説明するというのは、やらないといけないですね。

高木 そうなんですよ。まだ手がまわってないんですけど。

熊坂 ただ先生方は、みなさんメリットがあるとおもいますので、メリットを上手く伝えれば、どんどん入ってくると思います。

続きはこちら: SNS対談 ソーシャルメディア研究所 熊坂仁美代表 Part 2

 

Contact

学会入会・学会全般に関するお問い合わせ

  • 0948-24-3355

  • 〒820-0067 福岡県飯塚市川津680-41
    一般財団法人ファジィシステム研究所内