事例名
ファジィ技術使用「振動センサー」
企業・団体名
オムロン
出展
日刊工業新聞 1992年
内容
ファジィ技術で振動の性質判断 オムロンがセンサー オムロン(社長立石義雄氏)はファジィ技術を使って機械や音響などの振動を分析して、その意味を理解し性質を判断できる振動センサーを開発した。故障などが原因で起こる振動の微妙な違いを、ファジィ技術を用いて揺れの波形として理解することによって振動の性質を判断する。振動の有無を感知するセンサーはあるが、その振動の意味までを理解できるものは初めてという。自動車の駆動診断や防犯などに応用メド 新センサーは振働を感じるセンサー部分と、振動を認識判断する推論部分から成っている。ピークの状態や大小の比など振動波形の特徴を複数抽出、それをファジィ集合におけるメンバーシップ関数で表すことでパターン化し、あらかじめ記憶している振動パターンからその種類を判断する。これまで熟練者の経験や勘に頼っていた判断を、具体的な数値で表現することによって、機械による振動の意味理解を可能にしたとしている。本体にはオムロンのファジィ推論用IC 「FP3000」(価格1万円)を装備、最大8点の入力と、128の推論ルール数まで扱える能力のものを使用している。同センサーを使って自動車や機械などの駆動診断管理やフロッピーディスク駆動装置(FDD)用スピンドルモーターの振動抑制、ガラス窓を割って侵入するのを防ぐ防犯用などについて実用化のメドを立てている。