原発ファジィ給水制御 (動力炉・核燃料開発事業団(日本原子力研究開発機構))

ホーム / 原発ファジィ給水制御 (動力炉・核燃料開発事業団(日本原子力研究開発機構))

事例名

原発ファジィ給水制御

企業・団体名

動力炉・核燃料開発事業団(日本原子力研究開発機構)

出展

日刊工業新聞 1991年

内容

 原発給水制御にファジィ 「ふげん」で実用化へ 水位変動幅を1/6に 動力炉・核燃料開発事業団(理事長石渡鷹雄氏)はファジィ理論を応用した新型転換炉「ふげん」(電気出力16万5千kW)の給水制御システムを開発した。これまでの機能確認で同システムが蒸気ドラムの水位制御に対して極めて有効なことが分かり、今年度からシステム製作に取り組み、4年度中には実用化を目指していくことになった。ファジィ制御は地下鉄、浄水場、セメント工場などの産業分野ばかりでなく家電製品にも採用されているが、原子力分野で実機で使われるのはこれが初めて。現在、ファジィ理論の原子力分野への応用例としては給水ポンプ切り替え制御、自動周波数調整装置運転時の再循環流量制御、タービン入り口圧力制御などの研究があるが、これらはいずれもシミュレーションの段階。原子力プラントの自動制御は熟練の運転員の知識や勘に頼ることも少なくないのが現状。動燃では制御しようとするプロセス系の定性的な特性や、運転員の持つ主観的な操作感覚を容易に制御ルールで表現することができるファジィ制御法に着目、これを微妙な調整が必要とされる原子炉給水制御系に応用することを狙つた。原子炉給水制御系は蒸気ドラムの水位を設定値に保つため給水調節弁を制御する系統。「ふげん」の給水制御は高出力領域(出力18~100%)では主給水調節弁、低出力(同0~18%)では低流量給水調節弁が用いられているが、原子炉の起動・停止時に使われる低流量調節弁は、原子炉出力の速い変化に対して水位整定に時間がかかる傾向が満った。今回のファジィ理論の応用は、この低出力領域の運転員の判断や操作感覚をモデル化したもの。蒸気ドラム水位などのデータはプロセスデータ処理部に入力され、目標値との偏差や変化率信号として演算処理、ファジィ推論部へ送られる。ここでは①蒸気ドラム水位と目標値との差から弁操作量を推論②蒸気ドラムの流入流量と流出流量の差から弁操作量を推論③給水流量と原子炉出力に依存する最適給水流量との差から弁操作量を推論-の3つの推論部に分かれ、それぞれの推論結果は重み付き合成で演算処理される。機能確認の結果、原子炉起動時の低出力領域では従来方法と比べ蒸気ドラム水位変動幅を約2分の1から6分の1に低減でき、原子炉出力上昇に伴う主給水調節弁への切り替えでも同様の結果が得られた。動燃はこれら機能確認と並行して、ファジィ実用システムの設計・製作に着手する。また、今は画像表示された信号を運転員が再確認して操作している段階だが、オンラインによる給水制御系の完全自勧化を目的に、さらに改良を重ねていきたい考えだ。●…ポイント…●原発で初めてファジィ制御が実用化される。家電ばかりでなくプラント制御への応用に道を開く成果だ。

Contact

学会入会・学会全般に関するお問い合わせ

  • 0948-24-3355

  • 〒820-0067 福岡県飯塚市川津680-41
    一般財団法人ファジィシステム研究所内