油圧ショベル自動掘削制御 (三菱重工、新キャタピラ三菱)

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事例名

油圧ショベル自動掘削制御

企業・団体名

三菱重工、新キャタピラ三菱

出展

日刊工業新聞 1990年

内容

 油圧ショベル完全自動化へ一歩 掘削にファジィ活用 三菱重新キャタ 近く実機でテスト 三菱重工業(社長相川賢太郎氏)と新キャタピラ三菱(社長小西秋雄氏)は、ファジィ理論を応用した油圧ショベルの自動掘削技術の開発にメドをつけた。油圧ショベルの完全自動化の一環として共同研究を進めているもので、試作した掘削制御装置によるシミュレーション実験ながら、掘削対象の土質の変化に追従した自動掘削を初めて可能にする見通しを得た。近く実機に搭載し、フィールドで実証テストに着手する。早ければ、平成4年に世界初のファジィ制御による自動掘削油圧ショベルの試作機が登場する。自動掘削は油圧ショベルの完全自動化に不可欠な要素技術の一つ。これを実現するため、現在掘削計画線に追従させる軌跡制御が試みられているが、刻々と変化する土質に対応するのは難しかった。そこで、両社は熟練オペレーターのノウハウを制御に生かせるファジィ理論に着目。掘削制御に適用するため、まず複数の熟練オペレトターへのヒアリングを実施した。この結果、自動掘削を実現するうえで必要と考えられる①掘削動作の主体はスティックシリンダー②ブームシリンダーは掘削中、スティックやバケットシリンダーの速度が低下した場合の軌道修正にだけ使用③掘削中、バケットシリンダー速度はスティックシリンダーより遅い-の3つの基本条件を見いだした。これに基づき制御ルールを作成し、専用の掘削制御装置を試作。制御性の評価をリアルタイムシミュレーターで実施し、掘削対象の土質変化への柔軟な追従や、油圧ショベル自身の持つ掘削能力に応じた制御が可能なことを確かめた。これにより、ファジィ理論が自動掘削の有効な制御手法となる見通しを得た。両社は今後、条件の異なる掘削作業の自動化に対応するため、障害物回避制御や掘削状態に応じた制御ルールの切り替え機能などを付加し、同装置の高機能化を図る。同時に20トン級の実機に同装置を搭載し、実証テストにも乗り出す。最近、建設業界では建設機械の熟練オペレーター不足や労働環境の悪化などが深刻な問題となっており、その対策として作業の自動化、合理化が要求されている。両社が研究中のファジィ制御による自動掘削技術は、油圧ショベル完全自動化の要素技術の一つに過ぎないが、これを付加しただけでも経験の少ないオペレーターでも熟練者並みの操作が可能になり、かつ操作負荷を大幅に低減できるとみている。●…ポイント…●油圧ショベルの完全自動化に向け、第一弾として土質の変化に応じた自動掘削にメドをつけた。

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